オーバーツーリズム
オーバーツーリズムとは、人気観光地で混雑、渋滞、ごみのポイ捨て、地域住民が公共交通機関に乗れないなどの問題が起き、地域住民の生活や自然環境、景観などが我慢しきれないほどのマイナスの影響を受け、あまりの混雑に観光客もうんざりして満足度を低下させることを指す。(東レ経済研究所)
2024年1~9月の累計では2019年比10.1%増の約2688万人、2023年の年間累計は既に越え、2019年の3188万人も恐らく越える見込みとなっています。出張パック以外は自由席を利用しているですが、以前と比べて大きい荷物を持った外国人観光客を目にするようになりましたし、ピーク時間でもないのに席の確保が出来ず、車両内や車両間に立っている人も出ているように感じます。タクシーの待合で、荷物が大きすぎてトランクに入らずに苦労している光景も目にするようになりました。
先般、日本被団協がノーベル平和賞を受賞されましたが、原爆資料館が更に混雑するのでは?との憶測が流れています。朝、夕の時間を延長して、WEB予約専用の時間帯を設けているようですが、果して分散化が出来るのでしょうか。2030年までにインバウンドは年間6000万人になると言われています。それに対して、不足する労働人口は650万人(2040年までに1100万人)、観光業界だけの問題ではありませんが、この問題を解決する明確な答えが無い事が実情です。近年は男性の労働人口減少を女性の労働人口増加で補い一部をカバーしておりますが、人口推移をみると、在留外国人の数は増え続け(コロナ禍で、技能実習生などが減少している時期はあったが、徐々に回復)、直近3年くらいの日本人人口が急激に減っている事も確認できます。(第一次ベビーブーマーの高齢化やその他の理由)
世界第2位の観光立国であるスペイン(GDPの14%)のカナリア島(GDPの35%)では、住民の4.5倍の観光客が押し寄せ、住宅価格、家賃、生活費の高騰や水不足など、様々な問題が出てきています。(アフリカからの難民も増えているようです。) 広島市に入ってくる1ヶ月あたりの観光客数は約100万人なので、現時点では約1倍、観光都市として人気が高い京都市は約3倍くらいでしょうか? 今後どのような問題が出てくるか、各都市の実情を参考にしながら準備をしておいた方が良さそうです。